気ままな独身生活の後半2日、久々に実家でお泊りした帰り道のこと。
バス停で駅に行くバスを待っていたら、おばあちゃんが1人こちらに歩いてきて
ベンチに腰掛けたわたしの横に立ち「バスは何時にきますか?」。
「48分に来るみたいですよ」と答えると
「どんなバスですか?」
どんなバスと言われても困るなぁ、と思いつつも
「KバスとKCバスと2種類来るみたいですよ」と答えると
「そうですか…バス、乗せてくれますか?」
乗せてくれる?ってどういう意味だろう?と首を傾げながらも
「え〜と、乗せてくれると思いますよ?」と笑顔で答えたら
「そうですか…」おばあちゃんもホッとしたような笑顔を見せた。
でも腕がぷるぷる震えているし、話す言葉も滑舌が悪くやや不自由な感じ。
脳梗塞などの後遺症があるのかな?と思ったが、それ以上
話しかけてこなかったので特に気にもせずにいたら、バスが来た。
バスカードで支払いを済ませ、座席に着いた頃
さっきのおばあちゃんと運転手さんとのこんな会話が聞こえてきた。
ば「バス、乗せてくれますか?」
運「いいですよ」
ば「お金、持ってないんです」
運「え?お金持ってないの?困ったな。おばあちゃん、それじゃあ乗れないよ」
ば「…….」
運「おばあちゃん、どこまで行きたいの?」
ば「東京」
運「….東京って…おばあちゃん、大丈夫?一度家に帰った方がいいよ?」
ば「ほんなら帰ります」
運「大丈夫?家分かる?」
ば「……」
運「気をつけてね!」
おばあちゃんは笑顔のような困ったような何とも言えない表情で
元来た道をそれでも何事も無かったかのようにスタスタと歩いて戻ってゆく。
が、車窓から覗く私と目が合うと、ちょっと責めるような顔をした。気がした。
「さっき、あなたはバスに乗せてくれるって言ったじゃないですか」
とでも言いたげな表情に見えた。
「おかしいな」と感じた時に、もっとちゃんと話を聞いてあげればよかった。
あーちゃんも一緒じゃなかったのだし、急いでいるわけでもなかったのだから
お家まで送ってあげることもできたのに…。
おばあちゃん、東京のどこかで大好きな人が待ってると信じているんだろうな。
そこに行きたくて、行かなくちゃいけないと強く思っていて
気がつくといつもバス停に向かってしまうんだろうな。
誰なんだろう?ご主人かな?息子かな?娘かな?それとも孫?
あれこれと考えを巡らせては、胸がきゅーっと締め付けられて切なくなってしまった。
自分の親がもし…と考えたら堪らない。
なんだか最近、何かと考えさせられるデキコトが多い。
人生って本当に深いや…。